「相続税の取得費加算の特例ってどのようなものなのかな」
「相続税の申告前に不動産を売却したら、どのような税金がかかるかな」
このようにお悩みの方も多くいらっしゃると思います。
そこで今回は、相続税の取得費加算の特例についてと、相続税の申告前に不動産を売却した際にかかる税金について解説します。
□相続税の取得費加算の特例について
ここでは、相続税の取得費加算の特例についてご紹介します。
相続により不動産を取得し、それを売却して譲渡益が発生した場合に、譲渡所得税が課されます。
譲渡所得を計算する際は、収入金額から取得費と譲渡費用を控除します。
この時、相続税の一部を取得費に上乗せできる特例があり、これを「相続税の取得費加算」といいます。
この特例が適用されれば、譲渡所得がその分少なくなるので、譲渡所得にかかる譲渡所得税を節税できるのです。
相続税の取得費加算の特例の適用条件は、以下の3つです。
・相続又は遺贈により財産を取得した人であること
・その相続を取得した人に相続税が課税されていること
・その財産を相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日以降3年を経過する日までに譲渡していること
特に、相続した財産を売る時期がとても重要です。
相続開始から3年10ヶ月以内に売却しないと、この特例は適用されませんので注意が必要です。
不動産を売却する際は、すぐに買い手が見つかるというわけではありません。
そのため、この期限内に売却して特例を受けるためにも、できるだけ早くから売却計画を立てることをおすすめします。
□相続税の申告前に不動産を売却した際にかかる税金について
相続税の申告前に不動産を売却する場合は、相続税と譲渡所得税については別々に考えると良いでしょう。
相続税に関しては、亡くなった日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告と納税の義務があります。
譲渡所得税に関しては、譲渡した翌年の2月16日から3月15日までの間に申告と納税の義務があります。
基本的に譲渡所得税は、売却価格から取得費や譲渡費用等を差し引いた金額に税率を乗じることで算出できます。
なお、前章でも解説したように、相続税の取得費加算の特例が適用される場合もあるので確認してみましょう。
□まとめ
今回は、相続税の取得費加算の特例についてと、相続税の申告前に不動産を売却した際にかかる税金について解説しました。
特例を受けるために売却する期間が定められていたり、納税する期間が定められていたりするので、期間についてしっかりと確認しておくと良いでしょう。